科学的に正しい読書術　金川顕教　要約

本の概要

この本や記事で分かること

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本の要約

読書の有用性は何か

　インターネット上に情報があふれて、PCやスマホですぐに調べられる時代になっても、本の重要性は変わるものではありません。

　本の特徴は断片的な知識ではなく体系立てて必要な知識、情報を学ぶことができることにあります。

　断片的な情報ではなく、全体像を踏まえることで、困りごとや悩み事を解決できることも少なくありません。

　断片的な情報にあふれる今だからこそ、本を読む意味があるといえます。

なぜ、多くの人は読書の効果を実感できないのか

　多くの人が読書の効果を実感できないのは、読書を始めるときの目的が明確になっていないためです。

　目的の明確化は以下の3つのステップが重要です。

1．本を読んだ後どうなっていたいのかをイメージする

2．そうなるために何が必要か理解する

3．どのような本を読むべきか考える

　本を読む目的は言語化することで、効果が大きくなります。目的や読み始めたときの気持ちを書き出し、しおりとして利用することも有効です。

本を選ぶ時のポイントは何か

　人はこれまでの知識や経験、考えのクセ、性格が異なるため、向いている本もそれぞれ異なります。

　定番、名作であっても自分に合うとは限りません。本を選ぶ際には以下の3つが重要なポイントです。

1.書店に行き、目についた本を見てみる

2.著者がその分野で実績があるか

3.その本が自分の抱えている課題を解決してくれるか

　また読書の習慣が少なく、読書力を付けたい人は、簡単そうで、読むメリットが強い、読み進んでいることを実感できる紙の本を読むことがおすすめです。

どのような本の読みかたが有効なのか

　自分が知らない分野の本を読むときには、最低3つの本を読みくらべ、何が標準的な知識なのかを把握することも重要です。

　多数派の意見を知ったうえで、意外な発想を学び、幅広い視点を持っておくことが重要です。

　人間の根本的な部分は今も昔も変わっていないため、古典を読むことも有効です。古典は人間の本質に触れることができる、大局的な視点を養うことができるなどの利点があります。

　古典で大局観を養い、ビジネス書でそれを実現するスキルやノウハウを身に着けるというのが理想的な本選びになります。

　立場や年齢の上の人向けの本で、人生の予習をすることもとても有効な本の使い方です。

読書の効率化はどのようにすれば可能なのか

　読書を効率的に行い、内容の理解度を上げるためには以下の4ステップで本を読んでいくことも有効です。

1．予測読み：タイトルや帯から内容を推察することで、情報を受け取りやすくなります。

2．断捨離読み：自分に必要な部分だけを読むことで効率的な読書が可能です。

3．記者読み：自分の疑問を筆者に質問するように読むことで深い理解や鮮明に記憶に残すことができます。

4．要約読み：筆者の主張や自分の学びを要約し、3～5つに集約します。

　極端な速読はできませんが、4つのステップを踏むことで、効率的な読書をすることが可能です。

読書の効率を上げる方法にはどんなものかがあるのか

　そのほかにも、読書の効率を上げる方法としては以下のようなものがあります。

・好奇心を沸かせる工夫をする

・自分の体験や見聞きしたことに結びつける

・集中できる時間が15～20分であることを把握し、小刻みに休憩をいれる

・事例を抽象化し、自分で仮説を立ててみる

・しかし、つまりなどの接続詞に着目し、筆者の論理構成をつかむ

・必死に考えた後に一度放置し、しばらくしてからもう一度考えなおしてみる

なぜ、本の内容をすぐに忘れてしまうのか

　本を読んでも、覚えられないという人は多く、記憶力の悪さのせいにしがちですが、読書の際の緊張度、本気度合いが大きいと思われます。

　緊張感のある本気のある読書をすることで、本の内容は頭に残りやすくなります。

　アウトプットを前提にした読書をすることで、緊張感が増し、記憶と理解が促進されることが明らかになっています。

　本を読みながら手書きでメモを取ったり、本の感想や内容をライブ配信したり、人に話す、書いてあることを実践することなどがアウトプットの方法として有効です。

　ただし、アウトプットを前提にしても一度の読書ですべてを覚えることは不可能であるため、忘れてしまうタイミングで復習を行うことも大事なことです。

読書を習慣化するにはどうすれば良いのか

　読書経験を身に着けるには、習慣化することが大事ですが読書がつらいものに感じると習慣化できず、長続きしません。

　習慣化するには、以下のような手段が有効です。

・まずは読んでいて楽しい本を読む

・自分へのご褒美を用意する

・電車になったら、起きたときには読書をするなど、普段の習慣に読書を重ねる　

・読書のコミュニティを作る、読書をしていることを宣言する

　また、目標を立てても、完璧主義になりすぎるとうまくいきません。目標を下げたり、習慣化の達成を目に見える形で分かるようにしておくことも有効です。

読書に集中するにはどうすればよいのか

　人間の集中できる時間は長くても30分ほどです。

　そのため、集中できている時間の長さを伸ばそうとするのではなく、集中の質を高めることのほうが大切です。

　集中の質を高めるには、五感を意識したり、働きかけることが有効です。

・視覚：気の散るものを視野に入れない　特にスマホが視界にあるだけで、集中力が低下します五感

・聴覚：周囲の音を遮る。音楽は逆効果ですが、読書の前に聞く、作業音や自然音はプラスになります

・嗅覚：アロマで集中力UPさせる

　ほかにも図書館などの読書をせざるをえない環境の利用、きりの悪いところで中断し、気になりやすくする、適度な運動、適度な睡眠（昼寝）、適度な空腹も集中力の向上に効果があるとされています。

読書で最も重要なことは何か

　読書において、最も大切なことはアウトプットすることです。

　効率的なインプット法を学んでも、インプットを続けているだけは意味がありません。

　今後起こりうる社会の変化に対応していくには、柔軟に自分を変えていく行動力が不可欠です。

　読書による良質なインプットとアウトプットを繰り返すことで、意識だけでなく、行動をかえることができれば、柔軟に自分を変えていくことができます。