読書脳　樺沢紫苑　要約

本を読んでも、その内容を覚えていないと感じている人は大勢います。覚えていないということは知識として、その人の中に定着しておらず、何の役にも立っていない状態です。

そのような人におすすめとなる本を読んで忘れない方法が「アウトプット」することです。

インプットとアウトプットを繰り返し、記憶に残す読書をすることで、読書を自己成長につながり、人生を変えるものへと変化させることができます。

ネットやテレビ、新聞などで得られる内容のほとんどは「情報」です。情報は事実や結果であり、すぐに古くなってしまいます。

一方で、本から得られるのは、「知識」です。知識は事実や結果の積み重ねから吸い上げられたエッセンスであり、知識を体系的に学ぶためには読書が最適な方法です。

読書は仕事の効率化や質の向上、文章力の向上、ストレスの軽減、読解力、共感力、思考力、集中力など様々な能力の向上に役立つものであることが明らかになっています。

また、読書はただただ楽しいものでもあります。読書が好きでない人でも、自分に合った運命の一冊に巡り合うことができれば、読書好きに変わってきます。

読書を自己成長の役立てるためには、本の内容を忘れることなく、記憶することが必要です。

自己成長につながるような読書術には以下のようなものがあります。

・最初のインプットから1週間で3回アウトプットする

何度も利用される情報は脳が重要な情報と判断し、記憶しやすくなります。そのため、短期間に何度もアウトプットすることで、本の内容を記憶することができます。

アウトプットの方法は、メモを取る、人に内容を話す、感想や書評を書くなどが挙げられます。

アウトプットを前提とすることで、ただ漠然と読むよりも多くの知識や気づきを得やすくなることができます。

・スキマ時間に読書をする

まとまった時間がなくても読書は可能です。読書時間の優先度を上げ、空いた時間にスマホを触るのではなく読書をすることで多くの読書時間を確保することができます。

また、集中力は制限時間を決めて物事を行ったり、物事を行う際の始めと終わりでアップするため、スキマ時間での読書のほうが集中することが可能です。

・速読ではなく、深読を意識する

本を読んだとは、内容を説明でき、内容について議論できる状態です。速読で読んだだけでは意味がありません。内容をしっかりと理解する深読を行うことが不可欠です。

実際に、本を読む際に以下のような手順、読み方が有効です。

1.パラパラ読書術で全体を把握し、本を読む目的を設定する

2.ワープ読書術で知りたい部分を先に読んでしまう

3.自分にとって少し難しい難易度の本を読むギリギリ読書術

4.わくわくする本を読むことで、ドーパミンを放出させ、記憶しやすくする

5.本を読んで面白ければ、講演会など筆者に会いに行く

また、選書では、守破離の概念が重要です。

「守」：基礎を学べる本

「破」：他の人の方法を学べる応用本

「離」：自分のスタイルを構築するためのブレイクスルー本

多くの人がいきなり、離の本を買ってしまい成長につながっていません。自分の今のステージがどこなのかを考え、ステージにあった本を読むだけで、自己成長は加速していきます。

自分に必要な本が自分の詳しくない分野について書かれた広げる読書なのか、自分の詳しい分野を深める読書なのかを見極め、両者をバランスよく読んでいくことが重要です。

ユダヤ人の教えに、財産を奪われることはあっても、知識を奪うことはできないというものがあります。

知識こそが最高の貯蓄であるという考えは重要で、読書によって身に着けた知識は複利となり、日々の生活に富を与えてくれます。

多くの人が将来に不安を抱えながら、何を準備してい良いのか分かっていません。

本を読むことでどんな準備をすればよいかを知ることができます。本には選択肢を増やし、本から得られた知識を実践することで自己成長を加速させることも可能です。

読書は習慣です。多くの人が読書の習慣を付け、読書脳を身に着けることができれば、無限の可能性を切り開くことができるようになっていきます。