マクセルの新規めっきマスキング用テープ

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この記事で分かること

1. めっきマスキング用テープとは何か

めっきマスキング用テープとは、表面処理工程でめっき液をつけたくない部分を覆い保護する工業用テープです。強酸・強アルカリや加熱環境に耐え、薬液の侵入を防ぎつつ、処理後は糊残りなくきれいに剥がせます。

2. なぜPETフィルムを使用するのか

PETフィルムは強酸・強アルカリへの高い耐薬品性と寸法安定性を備えるためです。引張強度が高く薬液の侵入(液潜り)を防ぎ、処理後も破れず綺麗に剥がせます。耐熱性とコストのバランスにも優れています。

3. 新製品にはどんな特徴があるのか

EV化や半導体高度化に伴い強アルカリ・高温工程が増加し、従来品では液潜りや糊残りが課題でした。新製品はPET基材の優れた耐アルカリ・耐熱性で薬液侵入を防ぎ、処理後も途中で破れず綺麗に剥がせます。

マクセルの新規めっきマスキング用テープ

 マクセルは、過酷なメッキ・化学処理工程に対応する耐アルカリ・耐高温仕様の新めっきマスキング用テープの市場投入を進めています。

 従来のめっき液だけでなく、アルカリ脱脂液や強アルカリ性の薬液処理プロセスに直接浸漬しても、基材の浸食や粘着剤の膨潤・剥がれを起こしにくい耐薬品性を備えたテープとなっています。

めっきマスキング用テープとは何か

 めっきマスキング用テープとは、電気めっきや無電解めっき、アルマイト処理などの表面処理工程において、「めっき液をつけたくない部分(非処理部)」に貼り付けて薬液の接触を遮断する工業用特殊粘着テープです。

主な役割と導入メリット

  • 部分めっき(選択めっき)によるコスト削減電気接点や端子部など、機能上必要な箇所だけに高価な貴金属(金・銀・パラジウムなど)を沈着させ、不要なエリアを遮断することで材料コストを大幅に抑えます。
  • 接合性や寸法精度の維持めっき膜が付着すると寸法精度が狂ってしまう精密軸やねじ部、あるいは後の工程で溶接・圧着を行う箇所の金属素地をそのまま保護します。
  • 電界集中の防止(めっきコブの発生抑制)電気めっき時に電流が集中しやすい端部(エッジ)を被覆し、過剰なめっき析出(バリやコブ)を防ぎます。

一般塗装用テープとの大きな違い

 建築やDIYで使われる一般的な紙製マスキングテープとは異なり、過酷な化学的・物理的環境に耐えられる設計になっています。

項目一般塗装用マスキングテープめっきマスキング用テープ
使用環境常温〜軽度の加熱(塗料・溶剤)強酸・強アルカリ薬液、高温槽(〜100℃超)、通電環境
基材和紙、一般的なポリエチレンPET、PVC、ポリイミド、フッ素樹脂、アルミ箔/鉛箔
粘着剤一般アクリル系、天然ゴム系耐薬品性シリコーン系、高密着合成ゴム系・特殊アクリル系
密着性塗料の染み込み防止微少な薬液の侵入(液潜り)を極小隙間レベルで完全遮断
剥離性普通に剥がせる高温・薬液処理後も被着体に粘着剤を残さない(糊残り防止)

主な用途・活用分野

  • 電子部品・半導体: リードフレーム、プリント基板(PCB)のパターンめっき、コネクタ端子の部分金めっき
  • 自動車・航空宇宙: 高精度ギアやエンジン部品のねじ・軸受部の保護、硬質クロムめっき工程
  • 金属加工: 意匠性めっきと非処理部のコントラスト成形

 使用するめっき液の液性(強酸性か強アルカリ性か)や温度、後工程の剥離性に応じて、最適な基材と粘着剤の組み合わせが選定されます。

めっきマスキング用テープとは、表面処理工程でめっき液をつけたくない部分を覆い保護する工業用テープです。強酸・強アルカリや加熱環境に耐え、薬液の侵入を防ぎつつ、処理後は糊残りなくきれいに剥がせます。

なぜPETフィルムを使用するのか

 めっきマスキング用テープの基材にPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが多用されるのは、耐薬品性・機械的強度・耐熱性・コストのバランスが工業用として極めて優れているからです。

1. 強酸・強アルカリへの耐薬品性

 めっき工程では前処理の脱脂(強アルカリ)や酸洗い、金属めっき浴(酸性〜アルカリ性)など多様な薬液に晒されます。PETは一般的な酸・アルカリや有機溶剤に対して溶解・膨潤しにくく、薬液遮断能力を高く維持できます。

2. 高い引っ張り強度と寸法安定性

  • 作業時: 引っ張っても伸びにくいため、正確な位置に高精度で貼り付けられます。
  • 剥離時: 引裂強度が強く「破れにくい」ため、処理後に一気に手際よく剥がすことができ、テープのちぎれ残りを防ぎます。

3. 実用域をカバーする耐熱性

 塩ビ(PVC)フィルムは60℃〜80℃程度で軟化・変形しやすいのに対し、PETは100℃〜130℃程度の加熱環境やめっき浴の温浴処理にも耐えられます。

4. 薄さと平滑性による「液潜り」防止

 PETフィルムは非常に薄く(数10µm〜)表面が平滑です。被着体の微細な凹凸に粘着剤をしっかり密着させられるため、境界部からめっき液が侵入する「液潜り(滲み)」を防止できます。

5. コストパフォーマンスの高さ

 超高熱域(200℃〜300℃)や極めて高度な精密回路用途ではポリイミド(PI)やフッ素樹脂(PTFE)が使われますが、これらは非常に高価です。一般的な量産ライン(〜130℃前後まで)においては、PETが最もコストと性能のバランスに優れています。

基材別の位置づけ比較

基材主なメリット弱点・限界主な用途
PVC(塩ビ)追従性が高く安価耐熱性・耐溶剤性がやや低い常温・曲面の汎用めっき
PET(ポリエステル)強耐薬品性・高強度・寸法安定・低コスト伸縮性が乏しく極端な三次元曲面には不向き精密部品・電子基板・標準的な熱めっき
ポリイミド(PI)超高耐熱(〜300℃)・耐溶剤性高価格リフローハンダ・超高温特殊処理

PETフィルムは強酸・強アルカリへの高い耐薬品性と寸法安定性を備えるためです。引張強度が高く薬液の侵入(液潜り)を防ぎ、処理後も破れず綺麗に剥がせます。耐熱性とコストのバランスにも優れています。

新製品はどんな特徴があるのか

なぜ新製品が必要なのか(開発の背景)

  1. めっき工程の過酷化(強アルカリ脱脂・高温化)
    • 自動車の電動化(EV)や半導体パッケージの多層化に伴い、めっきの前処理として強力な強アルカリ脱脂液を使用するケースや、処理温度自体が高温化する傾向が強まっています。
  2. 従来品の課題(膨潤・液潜り・糊残り)
    • 従来のマスキングテープ(アルミ箔基材や汎用フィルム系)では、強アルカリ環境下で粘着剤が膨潤(ふやかされ)して剥がれたり、加熱によって境界部から薬液が侵入する「液潜り」が発生する課題がありました。
  3. 後工程の洗浄コスト削減
    • 処理後にテープの糊(粘着剤)が被着体に残ってしまうと、除去のための追加洗浄や不良率の上昇につながるため、高い耐薬品性と完全な再剥離性を両立したテープが強く求められていました。

新製品の主な特徴

  • すぐれた耐アルカリ・耐薬品性
    • 強アルカリ性の脱脂液や処理薬液に直接浸漬しても、基材の浸食や粘着剤の膨潤・剥離が起きず、しっかりと薬液を遮断します。
  • PET基材による高い寸法精度と引裂強度
    • 伸びにくいPETフィルムを採用しているため高精度に貼り付けられ、剥がす際も途中で破れることなく一括でスムーズに除去できます。
  • 高温環境への追従(「液潜り」防止)
    • 加温されためっき浴や乾燥工程などの熱がかかる環境でも粘着力と形状を保持し、境界部への薬液浸入を極小隙間レベルで防止します。
  • 高水準の再剥離性(糊残りの低減)
    • 過酷な工程を通った後でも被着体に粘着剤を残さず綺麗に剥がせるため、ラインの生産性向上と後工程の負担軽減に貢献します。

EV化や半導体高度化に伴い強アルカリ・高温工程が増加し、従来品では液潜りや糊残りが課題でした。新製品はPET基材の優れた耐アルカリ・耐熱性で薬液侵入を防ぎ、処理後も途中で破れず綺麗に剥がせます。

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